【LaTeX】titlesecパッケージで節番号・見出しの様式を調整
指定されたフォーマットに合わせるために、sectionやsubsectionの番号・見出し本体の様式を調整しました。備忘録として記録します。
やりたいこと
- 節見出しを、normalsize・ゴシック体とする。
- 節見出し冒頭の節番号を、同じくnormalsize・ゴシック体とする。
- 節見出し、節番号ともに太字にしない。
- 位置はいずれも左揃え
環境
コンパイラ:upLaTeX、ドキュメントクラス:jsarticle
基本
『LaTeX2ε美文書作成入門』によれば、LaTeX2ε はフォントをエンコーディング、ファミリ、シリーズ、シェープ、サイズという5要素で管理します。簡単にまとめると、
- エンコーディング:文字への番号の振り方
- ファミリ:Times, Helvetica, Arial, MS明朝など、いわゆる「フォント」。
- シリーズ:文字の線の太さのこと。ウェイト(weight)とも。
- シェープ:Upright(直立)、Italic といったバリエーション。
- サイズ:文字の大きさ。
このうち、文字の太さに関わるのはシリーズ、文字の大きさに関わるのはサイズです。 また、このほかに、スタイル(書体)という概念があり、日本語では、ゴシック体と明朝体など、英語ではsans serif とserifなどがあります。
使うパッケージ
titlesecパッケージを使うと、LaTeX で使うことができる各種見出し\part,\chapter,\section,\subsection,\subsubsection,\paragprah,\subparagraphの見た目を変更することができます。使うためには、次のようにプリアンプルに記入します。公式:https://ctan.org/tex-archive/macros/latex/contrib/titlesec
\usepackage{titlesec}
以下、目的を達成したコードになります。titlesecのtitleformatというコマンドを使っています。
\titleformat{\section} % \sectionを変更する [hang] % 形状はhang(デフォルト値) {\sffamily\normalsize} % 見出し自体のスタイルをサンセリフ体、フォントサイズを\normalsizeとする {\textsf{\thesection}.} % ラベルをサンセリフ体 {0.5zw} % ラベルと見出しとの間に0.5zwの空白を入れる {} % 見出し文字列の前に何も入れない [] % 後ろには何も入れない
zw とは、現在有効な全角漢字の幅を指します。0.5zwとすることで、半角文字の幅を指定しています。詳しくは、2.2 空白の挿入と長さの単位 にあります。
titleformatコマンドは、以下の形式で入力します。(参考:にっき♪: titlesec)
\titleformat{<命令>} [<特殊な形状の指定>] {<書式>} {<ラベル書式>} {<ラベルと見出し文字列の間の空き>} {<見出し文字列直前に入るコード>} [<見出し直後に入るコード>]
<命令>には、\chapter, \section, \subsectionなどが入ります。
<特殊な形状の指定>には、hangやblock, displayなどが入ります。詳しくは、 にっき♪: titlesecやtitlesecパッケージで見出しの書式を変える - ト部蛸焼のブログ
- <書式> では、見出し本体の書式を指定します。文系のマカーにも「使える」LaTeXでは、書式を指定するコマンドがまとまっています。
- ラベルとは、見出しの節番号のことです。
見出し前後のスペース
見出し前後のスペースを設定したいときは、同じくtitlesecパッケージのうちの、\titlespacing というコマンドで設定できました。詳しくは、LaTeXにおいて体裁を整えるのに便利なパッケージ - Qiitaを参照。
\titlespacing{\subsection} {0pt} % 左に0pt {0.25pt} % 前に0.25pt {0.25pt} % 後ろに0.25pt